
朗読 木漏れ日
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/ @komorebi373
【作品名】
親友と妻 3人の夜【朗読・小説】
【ストーリー】
僕の名前はゆうじ、今年で56歳になる。妻のかおりは53歳で、結婚してもう30年近くになる。振り返ってみると、あっという間だったような気もするし、長い道のりだったような気もする。子供たちは3人とも無事に成人し、それぞれの人生を歩み始めた。
長男のたかしは28歳で、大手商社に就職して東京で一人暮らしをしている。仕事が忙しくて、なかなか顔を見せてくれないが、たまに電話をくれる時の声は充実している様子だ。長女のみかは26歳で、地元で知り合った男性と結婚して隣町に住んでいる。
孫はまだいないが、幸せそうに暮らしている。末っ子のけんたは24歳で、大学を卒業してすぐに関西の会社に就職した。一番自由奔放な性格で、月に一度は近況報告の電話をくれる。子供たちがいた頃は、毎日が慌ただしく過ぎていった。朝は6時に起きて、かおりと一緒に朝食と弁当の準備。
子供たちを送り出してから僕も出勤。夜は遅くに帰宅しても、まだ子供たちの宿題を見たり、部活の送り迎えをしたり。土日も子供たちの試合観戦や学校行事で忙しかった。家の中はいつも賑やかで、テレビの音、子供たちのはしゃぎ声、かおりが子供たちを叱る声。
そんな音に包まれた生活だった。夫婦二人だけでゆっくり話す時間なんて、正直ほとんどなかった。子供たちが寝た後の深夜に、ようやく少し話せる程度だった。それが今では、朝起きても静寂に包まれている。目覚まし時計の音と、かおりが台所で朝食の準備をする微かな音だけが聞こえてくる。
リビングも、以前は散らかった教科書やゲーム機があちこちに置かれていたのに、今はいつも整然としている。僕は7時に家を出て、6時半頃に帰宅する。かおりが「お疲れさま」と玄関で迎えてくれて、夕食を二人で食べる。テレビを見たり、軽く話をしたりして、10時頃には床に就く。
そんな穏やかで規則正しい日々が続いていた。考えてみれば、喧嘩もほとんどない。長年連れ添った夫婦だから、お互いの性格や習慣はよく分かっている。かおりは几帳面で優しく、家事も完璧にこなしてくれる。僕の世話を嫌な顔一つせずにしてくれて、
時々体調を崩した時なども献身的に看病してくれる。僕も休日は掃除を手伝ったり、一緒に買い物に出かけたり、たまには外食をしたりしている。
客観的に見れば、理想的な夫婦関係だと思う。でも、どうしても気になることがあった。いや、気になるというより、心の奥底で引っかかることがあった。
それは、夜の夫婦の時間が、いつの間にかほとんどなくなってしまった
ことだった。子供たちがいた頃は、そんな時間を持つのも一苦労だった。壁の薄い家で、隣の部屋に子供たちが寝ているのを気にしながら、お互いを愛し合うことの難しさ。
でも、それでも月に何度かは、お互いの愛情を確かめ合う時間があった。でも今は二人だけ。誰に気兼ねすることもない。なのに、なぜかお互いに寄り添うことが少なくなっていた。最初は年齢のせいかと思っていた。50代半ばになれば、若い頃のような情熱は薄れるものかもしれない。
#朗読
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