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5万 回視聴 ・ 631いいね ・ 2025/02/01

0:00 (1)はじめに
0:20 (2)「寝てばかり」になることとその身体面の背景
2:31 (3)寝てばかりになりうる精神疾患3つ
2:39 ①うつ病
4:44 ②双極性障害
5:59 ③統合失調症
7:30 (4)まとめ

体の病気や睡眠時無呼吸などで「寝てばかり」になることもある一方で、うつ病や双極性障害などの精神疾患の症状などから「寝てばかり」の状態になることがあります。

「寝てばかりになりうる精神疾患3つ」について、精神科医が8分でまとめています。
出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)

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↓詳しい内容はこちらです。

(1)はじめに

起きていることが難しく、寝てばかりになってしまう。そんな状態に悩まされている方は少なくありません。この症状の背景には、身体的な要因のほか、精神疾患が関係している場合があります。本記事では、特に寝てばかりになりうる代表的な精神疾患について解説していきます。

(2)「寝てばかり」になることとその身体面の背景

寝てばかりの状態には、大きく分けて二つのパターンがあります。一つは「過眠」と呼ばれる、文字通り寝すぎてしまう状態。もう一つは、体が動かせない結果として寝ている時間が長くなってしまうケースです。

これらの症状の背景には、まず身体疾患による可能性を考える必要があります。代表的なものとして、以下の3つが挙げられます。

1. 身体疾患による倦怠感や過眠
糖尿病や肝機能障害などの身体疾患により、強い倦怠感が生じ、結果として寝てばかりになることがあります。これらの多くは血液検査で発見できるため、継続的な倦怠感がある場合は、まず身体的な原因を調べることが重要です。

2. ナルコレプシー
昼間の過度の眠気を特徴とする、脳の機能障害を伴う過眠症です。ただし、慢性的な睡眠不足やADHDの影響で、類似した症状が出ることもあります。症状が疑われる場合は、睡眠専門医による精密検査を受けることをお勧めします。

3. 睡眠時無呼吸症候群
睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりする疾患です。睡眠の質が低下し、慢性的な睡眠不足となって日中の眠気が強くなります。CPAPなどの治療法があるため、疑わしい場合は睡眠専門医への相談が望ましいでしょう。

(3)寝てばかりになりうる精神疾患3つ

①うつ病

うつ病は、脳内物質セロトニンの不足が主な原因とされる精神疾患です。落ち込みなどの症状が特徴的ですが、寝てばかりになる原因として、以下の2つのパターンがあります。

1つ目は、倦怠感や意欲の低下により体が動かせず、結果として横になって過ごす時間が増えるケース。2つ目は、特に非定型うつ病や季節性うつ病(冬季うつ)において見られる過眠の症状です。

治療としては抗うつ薬による薬物療法が基本となります。状態が不安定な時期は十分な休養を取ることも重要です。一方、寝てばかりの状態が慢性化している場合は、少しずつ活動量を増やしていく方法が効果的です。

②双極性障害

双極性障害(躁うつ病)は、うつ状態と躁状態を周期的に繰り返す精神疾患です。特に躁状態が弱いⅡ型の場合、うつ状態が症状の大半を占めることがあります。

うつ状態では、うつ病と同様に強い倦怠感から動けなくなったり、過眠が続いたりすることがあります。治療には気分安定薬を中心とした薬物療法が用いられますが、うつ状態が長期化しやすい特徴があります。

軽度のうつ状態での過眠傾向は、ある程度受け入れつつ、可能な範囲で活動を維持していく現実的なアプローチが有効です。

③統合失調症

統合失調症は、脳内のドーパミンの働きの過剰などが原因とされ、急性期には幻聴や妄想などの症状が現れる精神疾患です。抗精神病薬による治療で症状は安定しますが、その後に「陰性症状」と呼ばれる状態が現れることがあります。

この陰性症状により意欲が低下し、活動量が減って寝ている時間が増えることがあります。この時期に過度な活動を強いると再発のリスクが高まるため、注意が必要です。

治療においては、抗精神病薬の継続と共に、デイケアへの参加や訪問看護、ヘルパーの利用など、無理のない形での活動維持を図ることが重要です。

(4)まとめ

寝てばかりになる原因には、身体疾患と精神疾患の両方の可能性があります。主な精神疾患としては、うつ病、双極性障害、統合失調症の3つが挙げられます。

適切な治療のためには、まず身体的な原因の有無を確認し、必要に応じて精神科医による診断を受けることが重要です。また、それぞれの疾患に応じた治療アプローチがあり、焦らず段階的に回復を目指すことが大切です。

過度な眠気や極端な活動量の低下が続く場合は、一人で抱え込まず、専門家に相談することをお勧めします。

こころ診療所グループ(医療法人社団Heart Station)
府中こころ診療所(東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887)
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#精神疾患  #寝てばかり #精神科  #うつ病  #精神科医 

【監修者】
医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎
精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医)
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。

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